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○夏目漱石『草枕』(岩波書店、漱石文学作品集5)
有名な書き出しで始まるモノローグ。石につまずいて中断される。そして周りの風景描写に移行する。まずここが心地よい。

それから宿で寝付けないときの描写。遠くで声がする。「闇」から声がする、というのは、漱石の作品に共通するメタファではないだろうか。ほかにあげろ、といわれても困るが。

春の日の夕方の、がらん、とした雰囲気と気分の描写。これ以上のものはないだろう。「夕暮の机に向かう。障子も襖も開け放つ。」「余は明らかに何事をも考えておらぬ。または確かに何物をも見ておらぬ。わが意識の舞台に著しき色彩を以て動くものがないから、われは如何なる事物に同化したともいえぬ。去れどもわれは動いている。世の中に動いてもおらぬ、世の外にも動いておらぬ。ただ何となく動いている。花に動くにもあらず、鳥に動くにもあらず、人間に対して動くにもあらず、ただ恍惚と動いている」(78ページ)。これを「春」と表現するあたりが、いかにも漱石らしい。

○三島由紀夫『宴のあと』(新潮文庫)
はじめて読んだ三島本。これからいくつか読んでみるか。と思うくらいには楽しめた。

○立岩真也『希望について』(青土社)
志も何もかもが低いところから始めよう。ネガティヴなポジティヴ論。現状のネガティヴさを認めたうえで、でもそれは実はポジティヴな(ことになりうる)んだよ、と語りかける。
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