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森嶋通夫を読んでいる。

『思想としての近代経済学』岩波新書
『無資源国の経済学』岩波書店

とりあえずこれだけ。
全集も出てるので、そちらもおいおい。

Wikipediaで調べたところ、奇人・変人伝説を持つ人だったらしいことがわかった。いったいその内容とは?

論述は非常に格調高い。ときにはかなり攻撃的である。とはいえ、内容はバランスが取れているように思う。経済学は数学的な公理体系ではなく、人間理解の学問である、ということを(異なった形で)何回も繰り返す。近代経済学を専門としつつ、マルクス経済学、社会学への目配りもされている。やはりこれらの「融合」というか「統合」というか、そのへんをどう自分なりに解いていくかが、重要なのだろう。とりわけこれから経済学を学び、研究していく身としては。
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年末年始にかけ、経済学関連の本を手当たり次第に読んでいる。
あくまで「関連」であり、経済学そのものではないのだが。

稲葉振一郎の『経済学という教養』。
間宮陽介の『ケインズとハイエク』。
ルーマンの『社会の経済』。

稲葉は、ケインズをもっと真に受けろ、とかつてのマルクス主義経済学の信奉者に向けて言う。間宮は、対立的に捉えられがちなケインズとハイエクの思想を、自由という側面から読み解き、それぞれが何に直面しどのような処方箋を導き出したのか、を明らかにする。ルーマン本には、ときどきケインズ的な発想が出てくるように思う。稲葉の言う「貨幣的ケインジアン」の意味で。それから今読んでいる部分で、ルーマンは「資本―労働の対立はもはや図式として意味をなさない、消費者は不当にも経済の担い手に全く位置付けられていない」と述べている。これは結構重要な指摘だ。ケインズ革命以降、家計消費(つまり需要)面の実態を考慮することがマクロ的な経済動向の最重要要因となったからだ。やはりここでもケインズとルーマンは重なり合っている。

ルーマンの「二重の偶有性」問題は、乗数理論に似ているような気がする。誤解のされ方も。ケインズ乗数理論の誤解については伊東光晴『現代に生きるケインズ』を、ルーマン「二重の偶有性」問題については馬場靖雄『ルーマンの社会理論』を参照。

これらのほかにも小室直樹の『経済学をめぐる巨匠たち』も読んだ。これはソフトな読み物としては楽しめた。

この後には、岩波講座・社会科学の方法Ⅴ『分岐する経済学』、置塩信雄ほか『経済学』、著者忘れたが『ゲーム理論の基礎』(だったかな?)が控えている。あー大変。でも三連休があるから、時間を無駄にせずできる限り読もう。
 
今年は博士論文を書きつつ、就職活動もする。そういう年になる。これまでどちらかと言えば場当たり的にやってきた研究を、議論の意義と射程を明確にしながら一本の論文にまとめ、2008年以降の研究テーマの構想も進める。正直いってたいへん面倒な作業が続く。

けれども、他者だけでなく自分の中から湧き上がってくる要求の水準を下げたくない。下げてしまえばさしあたり楽になる。なおかつ、やってきたことをきれいにまとめれば、ある程度の評価を得ることはできるかもしれない。でもそうして積み上げたものは何なんだろう。

不安になればなるほど、きれいにまとめたい欲求は増していくと思う。ヘタレ院生を自認する僕としては、何ヵ月後かに、そういう欲求に身を任せたくなる可能性が高い。だから今のうちに、そうしないように未来の自分に対して警告しておきたい。と同時に、不安を避けようとしすぎないことも必要だと思う。矛盾しているようだが、避けようとするものほど自分に近づいてくるのだ(この命題の正しさについては、街中をふらふらと覚束なく走っている自転車の例を思い起こせば証明不要と思われる)。

できることなら、博士論文を書き上げた後に、あれもできなかった、これも足りなかった、……と延々と列挙できるような状態でありたい。

たぶん、博士論文は「(厳密な意味での)これまでの集大成」ではありえない。とすれば初段落での記述は、間違っていないけれども、的を外している。むしろ、場当たり的研究の一つ一つが、統一的な体系に収まるような視点を見つけ出すことが、目指されるべきだ。そしてこれこそが博士論文の中核になる。

これまで書いたものの書き直し、あるいは置き直し、ではなくて、その「読解」こそが求められる。私はこのとき何を言いたかったのか?何が言えたのか?逆に言えなかったことは何か?これらの問いを、既存研究の体系に照らしながら読み解いていく。今年はこういった作業を延々と、しかし常に時間的制約を気にかけつつ行なっていかねばならない。この作業は、その成果を直接的には表に出すことはないけれども、多少なりとも学問的/実践的に貢献しうる論文を仕上げていくために、不可欠な作業のはずだ。まずそこから始めよう。
 
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